「ラジオエルメス」開局、7億円のハイジュエリー、さあ、20年春夏シーズンが始まった

この連載を始めて1カ月。「連載、見てますよ」と声をかけていただくことが増えてうれしいです。何歳になっても受け入れてもらったり、夢を見たりといった瞬間は必要ですよね!

小雨の渋谷。皆のアツい視線が向かう先には……。って、2枚目の写真に答えがあるような書き出しなのに、裏切ってすみません。答えはここにはありません。なぜなら9月16日号用の撮影現場のため、内容はお楽しみとさせていただきたいから。カメラマンはなんと大御所の沢渡朔(さわたりはじめ)さん!スタイリストはふくしまアヤさん、ヘアメイクはKOUTAさん。最高の仕上がりになりそうです。

さあ、2020年春夏ウィメンズコレクションが始まりました。今季、最初のショーは六本木のスタジオで発表した「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」。デザイナーの青木さん自身の人としての色気が魅力の「アキコアオキ」が新境地を開いた模様です。スーツと民族衣装(いずれも所属団体を表明する服ですね)の出合いがキーワードだそう。時にかっちり、時に華やかさが必要な自分の職業目線からも、裾がひらひらしたフレアパンツとジャケットのセットアップなど着たいと思いました。

好きです、ラジオ。最近はSpotifyを聴くことが多いですが、DJに選曲をお任せしたい時はラジオに戻ります。だから、原宿に「ラジオエルメス」なるものが出現したと聞いて、見過ごせずに行ってきました。DJブースに加えて「エルメス(HERMES)」のメンズのスカーフ柄をジャケットにしたレコードが視聴できたりといろいろな仕掛けがあり、音楽好きな友人の家に遊びに来た感じ。先月に映画「天気の子」を見て以来ヘビロテ中(ミーハー過ぎるでしょうか……)のRADWIMPSの野田洋次郎さんのライブをVRで見られるなど嬉しい限りでしたよ!

日本環境設計という会社をご存じでしょうか?ファッションビジネスにおいてこの先存在感をどんどん高めてゆくこと間違いない会社です。壮大な名前だけど何をやっている会社なの?と思いますよね。なんと、本当に社名そのものの事業、つまり環境を設計している日本の会社なのです。従来廃棄されてきたモノを資源として活用し、新たなモノづくりへと循環させる消費者参加型の仕組みを作っています。サステイナブル特集に向けて、岩元美智彦・代表取締役会長に話を聞きました。理想高くアクションを起こし続ける岩元社長の話は説得力抜群です。「設計」という言葉、最近各所で聞き、使うようになりました。新たな設計が求められている時代なのですね。

「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」のハイジュエリーのディナーは、テーマであるグリム童話の世界を再現した本当~にドリーミーな世界でした。思うのです。大人だって、いやいや、大人だからこそ物語が必要だと。テーブルに「ブレーメンの音楽隊」のワンシーンが刺しゅうされたナプキンを見つけて脳内は少女へトリップしました。展示されていたのは職人技から生まれる豪奢なジュエリーで、価格は7億円のバングルを筆頭にいずれも億を超える高額なものばかり。超富裕層の心理は本当のところは分かりませんが、富裕層だって、いや富裕層だからこそ物語が必要なのかもしれません。「12人の踊る王女」をモチーフにしたゴールドのネックレスが特にまぶしかったです。

ギョーカイの方ならご存じかと思いますが、伊勢丹のイベントの初日はたいがい水曜日です。秋の立ち上がりのこの時期は毎週水曜日に伊勢丹新宿本店に来ている気がします。この日もまずは1階のステージを中心に全館8カ所(!)で始まった「ディオール(DIOR)」のイベントを取材。新木優子さんの来場に早朝からTVを含むカメラがずらり、でした。2階では新しいビューティーフロアがオープンし、3階では「マルニ(MARNI)」のポップアップ“ムーン マーケット”がオープン。野崎萌香さんが手に持っているハンモックバッグ、売れそうです。

こちら、リシュモンジャパンの三木均プレジデント&CEOです。引き込まれる笑顔をありがとうございます。リシュモンジャパンは「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを扱う会社です。三木社長は現職の前はクロエのフランス本社の営業トップを務めていました。日本人がラグジュアリーメゾンの本社の営業トップを務めることは珍しく、凄いことです。野球で言えばメジャーリーグの監督を務めるようなものでしょうか。仕事ができるだけではなく、人間力がないと務まりませんよね。そんな三木さんに「WWDジャパン」の連載に登場いただきたくお願いにあがり快諾いただきました。スタートは10月。パンチある言葉、飛び出しますよ~。

9月16日号の特集「モードって何?」のため、この日の取材は豪華3本立て!「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢さん→パルコの泉水隆・常務執行役→「ヴォーグ ジャパン」の渡辺美津子・編集長を訪ねました。各社での滞在時間は正味20分。短くもよい言葉をもらって特集の完成が見えてきました。「ヴォーグ ジャパン」ではシールをもらいましたよ。

やだ、この方日本のジョン・レノン?ですって?違いますよ、ワンオーの松井智則社長ですよ。なんて、グダグダな感じで絡みたくなるのも松井さんの人柄故です。合同展示会「ルームス」でカメラを向けるとササッとポーズをくれました。「ルームス」は次回、40回記念を迎えるとのことで1回目から取材をしている自分にびっくり。今回はサステイナブルのゾーンがさらに充実するなどディレクションには常に時代が反映されています。40回目以降も行けば気づきをもらえる展示会であってほしいと思います。

9月9日号「村上隆特集」の校了と本日のおやつ

我らながら最高の表紙、そして最高のインタビューになりました。村上隆さんに何度かお会いして思ったことは「この人、中2みたい」です。クリエイターとして持てる最大限のエネルギー発揮するために中2であり続け、ピュアであり続ける。そのために環境作りなどにでっかい努力をしている方でした。そのことが分かるインタビューは全クリエイターに読んでいただきたいです。特集に合わせて聴くオススメの曲は、カニエ・ウェスト(Kanye West)の「ストロンガー」からのビリー・アイリッシュ(Billie Eilish の「バッド・ガイ」。でも最後にはRADWIMPSの「愛にできることはまだあるかい」。この日のおやつはパンダクッキー。村上さんを追っかけて行った香港で出会った仕事のできる友人、塚ちゃんが校了日に来日してくれました。なんて偶然。刷り上がりを眺めながらいただく最高のおやつになりました。

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